外壁塗装をしなくても家は長持ちするのか??

外壁塗装をしなくても家は長持ちするのか?? サムネイル

先日気になる質問を拝見しました。

「屋根・外壁塗装にはまったく意味がありません。美観のみです。
傷んだ部材を補修や交換すれば末永く住むことができます。
それを業者は『塗装しなければとんでもないことになる』と煽ります。
実際、40年補修のみで問題なく暮らしている住宅を多く見ているので問題ないと思います。」

こうした意見は時折見られますし、業者の営業トークに不信感を抱く方がいるのも無理はありません。しかし、この主張には事実と異なる部分や誤解が含まれている可能性があります。

今回は、「外壁塗装は美観だけが目的なのか?」という疑問について、いくつかのポイントに分けて丁寧に解説していきます。

外壁塗装は美観だけが目的なのか?

■「40年塗装なしで保っている住宅」は実在する?

この質問者の方が言及されている「40年間塗装をせずに持ちこたえている住宅」は、実際に存在する可能性があります。しかし、それは以下の2つのパターンに分類できると考えられます。

① そもそも塗装の必要がない外壁材・屋根材の住宅

外壁であれば「タイル」「レンガ」「一部の樹脂系サイディング」などは、塗装による保護を必要としない素材です。特にタイルやレンガは耐候性が高く、経年劣化の影響も少ないため、何十年と塗装を行わずとも美観と機能を維持できる場合があります。

屋根の場合でも、「釉薬瓦(ゆうやくがわら)」や「セメント瓦(表面が特殊加工されているもの)」など、耐久性の高い素材を使用していれば、定期的な塗装が不要なケースは存在します。

つまり、「40年間塗装をしていない=塗装は不要だった」というわけではなく、「塗装の必要がない構造・素材だった」ということが多いのです。

②「保っているように見える」だけのケース

一見、何の問題もないように見える外観でも、実際には劣化が進行している可能性があります。

例えば、サイディング外壁でよくあるのが「コーキング(目地の防水材)」の劣化。紫外線や雨風の影響で硬化・ひび割れが生じ、隙間から水分が侵入すれば、下地材の腐食や内部結露の原因になります。

また、外壁が浮いていたり、チョーキング(粉を吹いたような状態)が発生しているなど、専門知識がなければ見逃してしまう初期劣化も多く存在します。

そのため、「塗装をしていなくても何ともないように見える」住宅も、実際には見えない部分で劣化が進行している可能性が否定できません。


■「傷んだ部分だけ交換すれば良い」という考えのリスク

この意見も一理あります。確かに、劣化した部材だけを適宜交換していくことで、家を維持していくことは可能です。

ただし、ここで重要なのは**「費用対効果」と「維持管理の効率性」**です。

例えば、外壁の一部だけ張り替えたり、コーキングを部分的に補修した場合、修繕費用自体は抑えられるかもしれません。しかし、補修範囲が増えていくと、いずれ全面改修に近い規模になり、結果的にコストがかさむ可能性があります。

さらに、「補修」と「予防」は全く異なる考え方です。塗装は劣化を「予防」するためのものであり、劣化してから対処する「補修」よりも長期的に見ればコストパフォーマンスに優れています。


■塗装には「美観」以外の大きな役割がある

ここで、そもそも「塗装の役割」とは何なのかを整理しておきましょう。

◎主な塗装の目的

  1. 防水機能の維持
    塗料は、雨風や紫外線から建材を保護する「膜」を作ります。これが劣化すれば、水が建物内部に浸入しやすくなり、構造体を腐食させる原因となります。
  2. 素材の劣化防止
    外壁材や屋根材そのものも、塗膜があることで紫外線からのダメージを軽減でき、素材の寿命を延ばします。
  3. カビ・藻の繁殖防止
    特に湿気の多い地域では、塗装によって防カビ・防藻効果を発揮し、外観と衛生面の両方を保てます。
  4. 美観の維持
    もちろん、美観は大切なポイントです。特に売却や貸出を検討している場合、外観の印象は価値を大きく左右します。

■「家のメンテナンスは歯磨きと同じ」

家のメンテナンスを考えるときに、よく使われる例えがあります。

「毎日の歯磨きと定期的な歯科健診を怠れば、やがて大きな治療費がかかるのと同じように、家も放置すれば高額な修繕が必要になる」

つまり、一時的な劣化では大きなトラブルにならなくても、何年も放置すれば深刻なダメージとなって現れるのです。

10年〜15年ごとに、屋根・外壁をまとめて点検・塗装することは、長期的に見れば修繕コストの抑制につながります。また、一度の足場設置で屋根も外壁も対応できるため、トータルの工事費用を安く抑えられるというメリットもあります。


まとめ:外壁塗装は「保護」と「予防」のための重要なメンテナンス

■まとめ:外壁塗装は「保護」と「予防」のための重要なメンテナンス

最後に、今回の質問に対する結論をまとめます。

  • 外壁塗装は「美観」だけでなく、「防水」「劣化防止」などの保護的役割を担っています。
  • 40年塗装せずに持ちこたえた住宅は、素材自体が塗装不要であったか、もしくは劣化に気づかずに過ごしてきた可能性が高い。
  • 劣化してから補修するよりも、定期的な塗装による予防保全の方が効率的かつ経済的です。
  • 家も人間と同じように、日々のケアと定期的なメンテナンスが重要です。

塗装工事は決して安価ではありませんが、「やらなくてよい工事」ではなく「やるべき工事」です。大切な住まいを長く快適に保つために、定期的なメンテナンスの重要性をぜひご理解いただければと思います。