ここ数年、外壁塗装において「クリア塗装(透明塗装)」の人気が高まっています。
特に「外壁のデザインをそのまま活かしたい」「意匠性の高いサイディングの風合いを維持したい」といったご希望を持つお客様が増えているようです。
この記事では、クリア塗装とはそもそも何か、そのメリットや注意点、どのような建物に向いているのかなど、わかりやすく解説していきます。

■ そもそもクリア塗装とは?
クリア塗装とは、「透明な塗料」で外壁を保護する塗装方法です。一般的な外壁塗料には「顔料(色をつける成分)」が含まれていますが、クリア塗装にはこの顔料が含まれていません。そのため、塗装後も外壁本来の模様や色合いがそのまま見えるという特徴があります。
使用される塗料の樹脂や溶剤、添加剤などの基本的な構成は、通常の塗料と大きく変わりません。耐久性についても一般的な塗料と同等で、透明だからといって性能が劣るということはありません。

■ クリア塗装のメリット
1. 外壁デザインをそのまま活かせる
クリア塗装の最大のメリットは、サイディングなどのデザインを残したまま外壁を保護できる点です。
特に近年の住宅では、レンガ調やタイル調など、見た目にもこだわった外壁が増えており、塗りつぶすにはもったいないという声も多く聞かれます。透明なクリア塗装なら、こうした意匠性を活かすことができます。
また、仕上がりに「濡れたような艶(ツヤ)」が出るのも特徴で、外壁に高級感を与えてくれる効果も期待できます。
2. チョーキング現象が起きない
通常の塗料では、経年によって顔料が劣化し、手で触れると白い粉がつく「チョーキング現象」が発生します。しかし、顔料を含まないクリア塗料ではこのチョーキングが起きません。
一見すると大きなメリットに思えますが、後述する通りこの“劣化のサインが見えにくい”ことが、逆にデメリットにもなり得ます。
3. 色あせが目立ちにくい
クリア塗装では外壁の色そのものが変わらないため、色あせが目立ちにくくなります。紫外線などの影響で多少の退色は起こりますが、色付き塗装ほど見た目に大きな変化は生じません。

■ クリア塗装のデメリット・注意点
1. 劣化や汚れが隠れない
クリア塗装最大の注意点は、「元の外壁の状態がそのまま表れる」という点です。小さなヒビやカビ汚れ、凹凸などがある場合、それをそのまま塗装してしまうと、かえって目立ってしまうこともあります。
そのため、クリア塗装を検討する際には、外壁の劣化具合をしっかり見極める必要があります。できるだけ早い段階での塗装が理想的です。
2. 劣化のサインが見えにくい
チョーキングや色あせなど、塗装のタイミングを判断する目安が見えにくくなるのもデメリットのひとつです。
「まだ見た目はきれいだから大丈夫」と思って放置していると、外壁自体の防水性が失われていたり、目に見えない内部劣化が進行していた、というケースもあります。見た目だけで判断せず、定期的な点検が重要です。
3. 施工費用はそれほど安くならない
「塗り回数が少ないから安くなるのでは?」という疑問をよくいただきますが、実際のところ、クリア塗装の費用が大幅に安くなるということはありません。塗料代や施工手間、足場などの費用は通常と同様にかかるため、大きなコストダウンは期待できないケースがほとんどです。

■ クリア塗装をおすすめできるお家・できないお家

■ おすすめできるお家の特徴
- 築7~9年ほどで、外壁の劣化が少ない
- 外壁デザインを残したい希望がある
- カビやコケの繁殖が見られない
- ヒビや剥がれなどの物理的劣化が少ない
このようなお家であれば、クリア塗装を行うことで外観を長く美しく保つことができます。特に築10年未満で早めに手を打つことで、外壁の保護性能を維持しつつ、美観も維持することができます。
極端な話ですが、新築時にクリア塗装を行うという選択もあります。実は、これがクリア塗装本来の最も理想的な使い方ともいえるでしょう。

■ クリア塗装をおすすめできないお家
- 築10年以上経過し、外壁に明確な劣化がある
- カビ・コケが目立つ
- サイディングの浮きや剥がれが始まっている
- すでに劣化塗料(光触媒・無機塗料)を使用している
劣化が進んでいる場合、クリア塗装をしても表面的な汚れや傷みが透けて見えてしまいます。特に光触媒や無機塗料が塗られている外壁は、クリア塗装が密着しづらく、施工ができないケースもあります。
※一部の無機塗料であればクリア塗装が可能な商品もありますが、必ず施工前に専門業者に確認してください。

■ まとめ|クリア塗装は「早めの判断」がカギ!
クリア塗装とは、外壁のデザインをそのままに、保護効果を加える透明な塗料による塗装方法です。
メリットとしては、デザイン性を保てる・チョーキングが起きない・色あせが目立たない点が挙げられます。一方で、汚れや劣化が隠せない・劣化のサインが見えにくいという注意点もあります。
クリア塗装は、外壁の状態が良いうちに行うことが何よりも大切です。「もう少し経ってから」と後回しにしてしまうと、せっかくのデザインが生かせなくなってしまうかもしれません。
「うちの外壁にクリア塗装は向いてるのかな?」と気になる方は、まずは一度、信頼できる塗装業者に点検を依頼してみてください。