「中古マンションを購入して、理想の空間で新生活をスタートさせたい!」
「長年住んだ我が家を、もっと快適で機能的な住まいにリフォームしたい!」
そんな素敵な夢を描いているあなた。しかし、その一方で
「本当に思い通りのリフォームはできるのだろうか」
「後悔したくない」
という不安を抱えていませんか?
その不安…よく分かります。実は、マンションリフォームには戸建てにはない特有のルールや制約が存在します。そして、リフォームの成否を大きく左右するのが、お住まいのマンションが持つ「構造」なのです。
この記事は、リフォーム計画を立てる前に必ず知っておきたいマンションの構造に関する基礎知識から、間取り変更や設備交換の可否、見落としがちなチェックポイントまで、専門家の視点で徹底解説します。
後悔しない理想のリフォームを実現するために、まずはご自宅の「カルテ」を正しく理解することから始めましょう。
リフォームの自由度を左右する!マンションの2大構造「ラーメン構造」と「壁式構造」

マンションリフォームを考える上で、絶対に外せないのが建物の「構造」です。構造によって、間取り変更の自由度が全く異なります。まずは、代表的な2つの構造の違いを理解しましょう。
柱と梁で支える「ラーメン構造」
「ラーメン」といっても、もちろん食べ物ではありません。これはドイツ語で「枠」を意味する言葉。その名の通り、柱と梁を組み合わせて骨組み(枠)を作り、建物を支える構造です。
- 特徴
- 建物を支えているのは主に柱と梁。
- 室内の間仕切り壁は構造上の役割を担っていないことが多い。
- そのため、間仕切り壁の撤去や移動がしやすく、間取り変更の自由度が高いのが最大のメリット
比較的多くのマンションで採用されているのが、このラーメン構造です。室内に柱や梁が出っ張っている場合は、ラーメン構造の可能性が高いでしょう。
壁で建物を支える「壁式構造」
一方、柱や梁の代わりに、鉄筋コンクリート製の「壁」で建物を支えるのが「壁式構造」です。
- 特徴
- 壁そのものが構造体(耐力壁)となっている。
- 室内に柱や梁の出っ張りがないため、スッキリとした空間になる。
- 構造体である壁は撤去できないため、間取り変更には大きな制約が伴います。
壁式構造は、比較的低層のマンションや、少し前に建てられた集合住宅などに見られます。間取りを大きく変えるような大規模リフォームを考えている場合は、特に注意が必要です。
我が家の構造はどっち?簡単な確認方法
ご自身の住まいや購入を検討している物件がどちらの構造かを知ることは、リフォーム計画の第一歩です。
- 図面で確認する: 間取り図や設計図書を見れば、構造が明記されています。
- 室内の見た目で判断する: 部屋の隅や壁に柱や梁の出っ張りがあれば「ラーメン構造」、なければ「壁式構造」の可能性が高いです。
- 壁を叩いて音を聞く:コンクリートの詰まったコツコツ…という音がすれば壁式構造の可能性が高い
- 専門家に聞く: 不動産会社や管理会社、リフォーム会社に問い合わせれば、正確な情報を得られます。
まずはこの構造の違いを把握することが、実現可能なリフォームプランを立てるための鍵となります。
見えない部分が重要!天井と床の構造でリフォーム内容は変わる

壁の構造と並んで、リフォームの自由度に大きく影響するのが「天井」と「床」の構造です。見た目では分かりにくい部分ですが、天井や床の構造をを知らないと照明計画や配管工事で思わぬ壁にぶつかることがあります。
天井の構造:「直天井」と「二重天井」
天井には、コンクリートの構造体(スラブ)に直接壁紙などが貼られている「直天井(じかてんじょう)」と、構造体から空間を空けてもう一つ天井を設けた「二重天井」があります。
- 直天井
- 天井裏にスペースがないため、照明器具の移設や増設、電気配線の隠蔽が困難。
- ダウンライトの埋め込みは基本的にできません。
- 古いマンションに多く見られます。
- 二重天井
- 天井裏に空間があるため、配線や換気ダクトなどを自由に配置しやすいのが利点。
- ダウンライトを設置したり、照明の位置を自由に変えたりすることが可能です。
【簡単な見分け方】
天井を軽くコンコンと叩いてみてください。ゴツゴツと硬い音がすれば「直天井」、少し響くような音がすれば「二重天井」の可能性が高いです。
床の構造:「直床」と「二重床」
床も天井と同様に、コンクリートスラブに直接フローリング材などを貼る「直床(じかゆか)」と、支持脚で床を上げて空間を作る「二重床」があります。
- 直床
- 床下に空間がないため、水回りの配管移動が非常に難しい。
- リフォームの際は、マンションの管理規約で定められた防音規定(遮音等級)を満たす特殊なフローリング材を選ぶ必要があります。
- 二重床
- 床下に配管や配線を通すスペースがあるため、キッチンや浴室などの水回り移動にも対応しやすい。
- 床材の選択肢も広がります。
近年建てられたマンションでは二重床が増えていますが、築年数が経過した物件では直床が主流です。
必ずチェック!床の防音規定(遮音等級)
特に直床のリフォームで重要なのが、管理規約で定められている「遮音等級」です。これは、下の階への音の伝わり方を規制するルールで、「L-45」や「L-40」といった数値で示されます(数値が小さいほど遮音性が高い)
この規定を守らないと、工事が認められない、あるいは後からトラブルになる可能性があります。等級の高いフローリング材は価格も高くなる傾向があるため、予算にも影響する重要なポイントです。リフォーム前には必ず管理規約を確認しましょう。
間取り変更の盲点!和室や水回りのリフォームで注意すべきポイント

マンションの構造を理解した上で、具体的なリフォーム計画で注意したい点をいくつか見ていきましょう。特に要望の多い和室の洋室化や水回りの移動には、思わぬ落とし穴が潜んでいます。
和室から洋室へ。しかし「エアコンの壁」が…
和室をなくしてリビングを広くしたり、洋室に変えたりするのは人気の高いリフォームです。しかし、その和室の位置によっては、快適な部屋作りが難しくなるケースがあります。
チェックポイントは「窓(ベランダ)に面しているか」です。
エアコンは、室内機と室外機を配管で繋ぐ必要があります。そのため、室外機を置けるベランダや共用廊下に面していない部屋には、基本的にエアコンを設置することができません。
窓のない和室を個室の洋室にしてしまうと、「空調のない部屋」が生まれてしまうのです。対策として、リビングとの間に室内窓を設けたり、壁付けの換気扇で空気を循環させたりする方法もありますが、効果は限定的です。物件選びの段階から、各部屋の窓の位置はしっかり確認しましょう。
水回り(キッチン・浴室)の移動はできる?
アイランドキッチンにしたり、浴室のレイアウトを変えたりといった水回りのリフォームは、床下の配管スペースが鍵を握ります。
- 二重床の場合: 床下空間を利用して、ある程度の移動は可能です。
- 直床の場合: 配管をコンクリートに埋め込むことはできないため、移動はほぼ不可能と考えましょう。
また、給湯器の種類にも注意が必要です。古いマンションでは、お湯がぬるくなった際に高温のお湯を足して温める「高温差し湯」方式の給湯器が使われていることがあります。
これは一般的な「追い焚き」機能とは異なり、配管の構造も違うため、給湯器の交換にも制約が出ることがあります。
北側の部屋は要注意!結露とカビの問題
玄関側にある北向きの部屋は、日当たりが悪く、外気との温度差で結露が発生しやすいという宿命を負っています。
内見の際には、壁紙が剥がれていないか、隅に黒ずみ(カビ)がないか、カビ臭くないかなどを念入りにチェックしましょう。
結露やカビは、建物の断熱性能といった構造的な問題が原因であることが多く、表面的なリフォームだけでは根本的な解決が難しい場合があります。
築年数で見る!リフォームしやすいマンションの選び方
これまで見てきた構造や設備の問題は、ある程度「築年数」で傾向を判断することができます。中古マンションの購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
1990年代以前の物件に多い注意点
この年代のマンションは、現在の基準で見るとリフォームに制約が多い傾向があります。
- 室内の段差が多い(玄関、廊下、洗面所、浴室など)
- 壁式構造の可能性がある
- 直床・直天井が主流
- 配管の老朽化も考慮が必要
もちろん、丁寧にメンテナンスされていれば問題ありません。バリアフリー化など大規模な改修を考えている場合は、工事費用が嵩む可能性を覚悟しておきましょう。
2000年以降の物件のメリット
建築技術や居住性への考え方が進化した2000年以降の物件は、リフォームの観点からも多くのメリットがあります。
- バリアフリー設計が標準化され、室内の段差が少ない
- 二重床・二重天井が多く採用され、間取りや設備の自由度が高い
- 水回りの配管スペースが考慮されていることが多い
もし予算に少し余裕があるなら、2000年以降に建築されたマンションを選ぶと、リフォームの選択肢が広がり結果的にコストを抑えられるかもしれません。
まとめ:後悔しないマンションリフォームは「事前の情報収集」がすべて

マンションリフォームを成功させるための秘訣、それは「できないことを知る」ことから始まります。
【マンションリフォーム前に確認すべきポイント】
- 構造: ラーメン構造か、壁式構造か。
- 天井: 直天井か、二重天井か。
- 床: 直床か、二重床か。管理規約の遮音等級は?
- 間取り: エアコンが設置できない部屋はないか。
- 設備: 給湯器の種類は?室外機の設置場所は安全か。
- 状態: 北側居室の結露やカビはないか。
理想のリフォームを実現するためには、まず現状を正しく把握することが不可欠です。この記事を参考に、ご自宅のマンションの構造や設備を確認してみてください。
その上で、マンションリフォームの実績が豊富な専門家やリフォーム会社に相談し、実現可能なプランを一緒に考えていくことを強くお勧めします。正しい知識を身につけ、賢く、後悔のないリフォームを実現させましょう。