【外壁塗装】なぜ3回塗り?その理由とトラブルを防ぐポイント!

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「そろそろ、うちも外壁の塗り替え時期かな…」

そう思って、意を決して地元の塗装業者さんから見積もりを取ってみたんです。私の実家の話なんですけれど、父が腕を組みながら見積書を眺めていて、隣からのぞき込むと「下塗り」「中塗り」「上塗り」と3回も塗装工程が書かれている。

「おい、これ、1回塗りにしてもらったら安くなるんじゃないか?」

父が業者さんにそう尋ねる姿を見て、私も「確かに…」なんて思ってしまいました。塗料を塗るだけなのに、なぜ3回も?その一手間、省いてくれたら費用も浮くのに。あなたも、もしかしたら私と同じように感じたことがあるかもしれませんね。

でも、この「3回塗り」実はあなたの大切な我が家を10年、20年と守り続けるために欠かせないいわば美観と耐久性のおまじないのようなものだったんです。

この記事では、なぜ塗装業者が「3回塗り」にこだわるのか。その理由と、残念ながら存在する手抜き工事から身を守るためのチェックポイントを、私がこの業界で見聞きしてきた経験も交えながら少しだけ裏話も混ぜつつお話ししていきたいと思います。

なんで1回じゃダメなの?塗装のプロが「3回」にこだわる本当の理由

なんで1回じゃダメなの?塗装のプロが「3回」にこだわる本当の理由

外壁塗装って、ただ色を塗るだけだと思っていませんか?実は、それぞれの「塗り」に、全く異なる大切な役割があるんです。まるで、料理の下ごしらえや、女性のお化粧に似ているかもしれません。

隠れた主役!「下塗り」がなければ全てが台無しに

私が経験上、最も重要だと感じているのが、この「下塗り」工程です。

正直なところ、下塗りに使う塗料は、ほとんどが白やクリーム色といった地味な色。この上に色を重ねてしまうので、完成後には全く見えなくなります。だからこそ、手を抜かれやすい部分でもあるのですけど…あー…これって言っていいのかな。でも、事実なんです。

では、なぜ重要なのか?

それは、古くなった外壁(下地)と、新しく塗る塗料(上塗り材)を強力に接着させる「接着剤」の役割を果たすからです。

長年の雨風や紫外線にさらされた外壁は目には見えなくても、塗料を弾いたり、逆に吸い込みすぎたりで不安定な状態になっています。そこにいきなり仕上げの塗料を塗っても、すぐに剥がれてしまったり、色ムラができたりしちゃうんです。

下塗り材は、そんなデリケートな下地表面を整え、次に塗る塗料が「ピタッ!」と密着するための土台を作ってくれる。まさに縁の下の力持ちなんです。この工程を疎かにしては、どんなに高級な塗料を使っても意味がなくなってしまうんです。

塗膜の厚みで性能が決まる「中塗り」

下塗りが完了し、しっかりと乾燥させたら、次はいよいよ「中塗り」です。

ここで使うのは、あなたが選んだ色の塗料。つまり、仕上げに使う塗料と同じものを使います。「同じものを2回塗るなら、まとめて厚く1回で塗ればいいのでは?」なんて声が聞こえてきそうですね。

でも、それができない理由があるんです。塗料というものは、一度に厚く塗ろうとすると、液だれを起こしたり、表面だけ乾いて中が生乾きの状態になったりして、性能がガクンと落ちてしまいます。

中塗りの目的は、塗料が持つ本来の機能(例えば、防水性や遮熱性など)を発揮させるために必要な「膜の厚み=塗膜厚(とまくあつ)」を確保すること。

規定の厚みがあって初めて、塗料はその性能を100%発揮できます。薄すぎれば当然長持ちしません。だからこそ、焦らず、決められた量を一度塗る。それが中塗りという工程なんです。

最後の仕上げ「上塗り」で美観と耐久性を完璧に

そして、最後の総仕上げが「上塗り」です。

中塗りと同じ塗料をもう一度、丁寧に塗り重ねていきます。この工程によって、中塗りで生じたわずかな塗りムラを完全にカバーし、見た目を美しく整えることができます。

それだけではありません。十分な厚みを持った塗膜(中塗り+上塗り)が、紫外線や雨風といった過酷な自然環境から、あなたのお家をがっちりとガードしてくれるのです。

艶やかな美しい仕上がりは、この丁寧な重ね塗りがあってこそ生まれるもの。3回の工程は、それぞれが独立しつつも連携して初めて意味をなすチームプレーのようなもの、と私は考えています。

「じゃあ4回、5回と塗ればもっと良い?」そんな甘い言葉に潜む罠

「じゃあ4回、5回と塗ればもっと良い?」そんな甘い言葉に潜む罠

「3回塗ることで性能が最大限発揮されるなら、もっと重ねた方が強くなるんじゃない?」

そう考えるのは、とても自然なことだと思います。しかし、ここには注意すべき点があります。特に、「うちはサービスで4回塗っておきますよ!」なんて提案してくる業者には、少しだけ警戒心を持った方がいいかもしれません。

大手塗料メーカーが「3回塗り」を基準にするワケ

実は、私たちが普段目にする国内の大手塗料メーカーが開発・販売している建築用塗料のほとんどは、「3回塗り」を前提として性能が設計されています。

塗料の専門家たちが、研究室で何度もテストを繰り返し、「この乾燥時間で、この厚みを、この回数重ねた時に、最も美しい仕上がりと耐久性を発揮する」という最適なバランスを導き出しているのです。

むやみに塗り重ねて塗膜が厚くなりすぎると、かえって塗料の柔軟性が失われ、建物のわずかな動きに追従できずにひび割れ(クラック)を起こしやすくなることも。何事も「過ぎたるは猶及ばざるが如し」ということですね。

「回数サービス」をうたう業者、その真意は?

もちろん、全ての業者がそうだとは言いません。下地の傷みが激しい場合など、例外的に4回以上の塗装が必要なケースも稀にあります。しかし、何の根拠も示さずに「4回塗るから安心です」とアピールしてくる場合、いくつか考えられることがあります。

  • 本来3回で仕上げるべき塗料を薄めて使い、回数でごまかそうとしている
  • 塗装の知識が浅く、単純に多ければ良いと思い込んでいる
  • 他社との差別化のために、根拠のないサービスをうたっている

私が実際に見てきた中では、見積もりを高く見せるための方便だったり、施主の知識がないことにつけ込んだりするケースが残念ながら存在します。もしそういった提案を受けたら、「なぜ4回目が必要なのですか?メーカーの仕様ではどうなっていますか?」と、一歩踏み込んで質問してみる勇気を持ってください。

これで安心!契約前と工事中にできる「手抜き」防止策

これで安心!契約前と工事中にできる「手抜き」防止策

「工事が始まってしまったら、本当に3回塗ったかなんて分からない…」

そうですよね。完成してしまえば、外から見ただけでは塗装回数なんて分かりません。だからこそ、後々のトラブルを防ぐために、契約前と工事中にできることがあります。

見積書と工程表に隠された「サイン」を見逃さない

まずは、契約前に受け取る書類のチェックから。優良な業者ほど、書類は分かりやすく、質問にも丁寧に答えてくれるはずです。

  • 見積書の項目を確認する
    • 「下塗り」「中塗り」「上塗り」と、工程ごとに項目が分かれているか?
    • 「上塗り2回」や、備考欄に「3回塗り」と明記されているか?
    • 業者によっては「仕上げ塗り」として、下塗りの倍の塗布面積で計算していることもあります。
    • 「外壁塗装工事 一式」といった、どんぶり勘定の見積書は要注意信号だと私は思います。
  • 工程表で「乾燥時間」を見る
    • 塗料には、それぞれ適切な乾燥時間がメーカーによって定められています。
    • 下塗り→乾燥→中塗り→乾燥→上塗り、と進むため、通常は1つの工程に1日かけるのが一般的です。(天候によりますが)
    • もし、1日や2日で全ての塗装を終えるような極端に短い工程表が出てきたら、その理由をしっかり確認しましょう。

勇気を出して聞いてみる!職人さんとのコミュニケーション

書類だけでなく、実際の現場での確認も大切です。

その日の作業が始まる前に「今日はどんな作業をされるんですか?」と声をかけてみてください。良い職人さんであれば、自分の仕事に誇りを持っていますから、「今日は下塗りを全体に塗っていきますよ」と快く教えてくれることが多いです。

もちろん、職人さんの仕事の邪魔にならないように配慮は必要ですが、自分の家のことですから、関心を持つのは当然のこと。コミュニケーションを取ることで、現場の雰囲気も良くなり、結果として丁寧な仕事につながることもあるんですよ。

まとめ:3回塗りはあなたの家の未来を守るために

まとめ:3回塗りはあなたの家の未来を守るために

外壁塗装は、決して安い買い物ではありません。100万円以上の費用がかかることも珍しくない一大プロジェクトです。だからこそ、業者任せにせず、あなた自身が少しだけ知識を持つことが、後悔しないための最大の防御策になります。

もし、あなたが今まさに外壁塗装を検討していて、手元に見積書があるなら、もう一度「塗装回数」の項目を見返してみてください。そして、少しでも疑問に思うことがあれば、遠慮なく業者に質問してみましょう。その対応の仕方で、その会社が信頼できる相手かどうかも見えてくるはずです。

そして、必ず複数の信頼できる業者から相見積もりを取ること。これは、適正な価格と、あなたの家に合った最適な提案を知る上で、絶対に欠かせないステップです。

「3回塗り」という一見単純なルールの中に、お家を長持ちさせるための知恵と技術が詰まっています。この記事が、あなたが納得のいく業者選びをし、大切な住まいを守るための一助となれば、これほど嬉しいことはありません。