【注文住宅】地震に弱い!?家づくりでケチってはいけない4つの事!

「うちの家、大きな地震が来ても本当に大丈夫なんだろうか…」

最近、日本各地で続く地震のニュースを見るたび、胸がざわつく。特にこれから家を建てようと考えているあなたにとっては、不安は尽きないはず。何千万円という、一生に一度の大きな買い物です。絶対に後悔だけはしたくない。私も建築の仕事に携わる者として、その気持ちは痛いほど分かります。

「耐震等級3だから安心ですよ」

工務店の営業マンは、きっと笑顔でそう言うでしょう。その言葉を鵜呑みにするのは、少しだけ待ってください。実は、同じ「耐震等級3」というお墨付きの中にも、強さの“質”に大きな違いがあるんです。

この記事では「地震で倒壊しない」そして万が一の被災後も「住み続けられる」家を建てるために、あなたが工務店に絶対に確認すべき「4つの重要なポイント」を、私がこの業界で見てきたリアルな話も交えながらお話ししていきたいと思います。

1:その「耐震等級3」本当に信じて大丈夫?構造計算のウラ側

家づくりを考え始めると、必ず耳にする「耐震等級」という言葉。もちろん、最高の「3」を目指すべきなのは言うまでもありません。耐震等級2と3では、天と地ほどの差があります。問題はその「3」の取り方。ここに、素人には見えにくい、大事なポイントが隠されています。

最強の計算方法は「許容応力度計算」一択

「うちは構造計算をしています」と言われても、安心するのはまだ早い。実は、構造計算には大きく分けて3つの種類(許容応力度計算、性能表示計算、N値計算)があります。

そして、あなたが工務店に絶対にやってもらうべきなのは、最も精密で信頼性の高い「許容応力度計算(きょようおうりょくどけいさん)」という方法です。

「長期優良住宅で建てますから大丈夫ですよ」と言われても、その根拠が「性能表示計算」という簡易的な方法であるケースも少なくありません。性能表示計算でも耐震等級3は取れてしまうので、本当の意味で建物の隅々まで強さを計算し尽くしているとは思えません。

本物の「許容応力度計算」をすると、家の間取りが決まった後に、その建物のためだけに分厚いファイルの計算書と金物の位置まで細かく指定された「構造図」という図面が出てきます。工務店は、その詳細な指示書に従って家を建てていく。この手間とコストを惜しまないかどうか。それが、その会社の姿勢を見極める最初の関門です。

なぜ「耐震等級2」じゃダメで、「3」が絶対なのか?

「耐震等級3が絶対です」

僕は、お客さんに聞かれたら必ずこう答えます。耐震等級1は、建築基準法で定められた最低限のレベル。等級2は、その1.25倍。そして等級3は、1.5倍の強さを持つとされています。

この数字の差は、単なる強さの違いではありません。「ギリギリ倒壊はしない」レベルの等級1や2と、大きな地震の後も軽微な修繕で「安心して住み続けられる」ことを目指す等級3とでは、目指すゴールが全く違うのです。あなたの、そして家族の命を守る砦となる家。そこに妥協の余地はないはずです。

2:いくら強くても無意味?家の「バランス」という見過ごされがちな重要性

許容応力度計算でガチガチに固めたから、もう安心…とは、残念ながらいかないのが地震の怖いところ。次に大事なのが、家の「バランス」です。

昔の家でよく見た「南側総崩れ」の悲劇

昔ながらの日本の家を思い浮かべてみてください。日当たりの良い南側は、縁側につながる大きな掃き出し窓がズラリと並んでいる。壁が極端に少ない一方で、北側にはお風呂や台所があって壁が多い。

こういった家は、地震が来た時にどうなるか。私が現場で見てきた中には、南側だけがグシャッと菱形に潰れて倒壊するケースが本当に多いんです。北側にいくら強い壁(耐力壁)がたくさんあっても、南側になければ、家はバランスを崩して弱い方へ倒れてしまう。これは、物理の法則なのでどうしようもありません。

建物を真上から見て、縦方向(Y方向)と横方向(X方向)に、バランス良く耐力壁が配置されているか。家の四隅や対角線上に、しっかりと踏ん張ってくれる壁があるか。間取り図を見ながら、あなた自身の目でもチェックしてみてください。「南側、窓ばっかりで壁が少ないな…」と感じたら、それは危険信号かもしれません。

家の形は「四角」が最強?デザイン性と強度のジレンマ

家の形も、バランスに大きく影響します。

正直なところ、地震に対して一番強いのは、凹凸のない真四角(正方形や長方形)の家です。特に、1階と2階の壁の位置が揃っている「総二階」は、理想的な形と言えます。

しかし、デザイン性を求めてL字型やコの字型にすると、どうしても構造的に弱い部分(角の部分など)が生まれてしまいます。もちろん、梁を太くするなど補強の方法はありますが、複雑な形であるほどリスクは増える。ということは知っておくべきです。

デザインを優先するあまり、家族の安全がおろそかになっては本末転倒。そのバランスをどう取るか、設計士としっかり話し合う必要があります。

3:ガチガチに固めるだけじゃない。「揺れを吸収する」制震装置って必要?

熊本地震や能登半島地震で明らかになったのは、大きな揺れが「一度だけ」では終わらないという事実です。本震のあとも、何百、何千回という余震が繰り返し建物を襲います。

「耐震」+「制震」が最強の組み合わせ

どんなに頑丈に作った家でも、何度も揺さぶられれば、柱や金物は少しずつダメージを受け緩んでいきます。見た目はきれいに建っていても、「内部はボロボロになっている可能性があるから、安易に立ち入らないでください」と専門家が呼びかけていたのがその証拠です。

そこで重要になるのが、「制震(せいしん)」という考え方。

  • 耐震:建物をガチガチに固めて、揺れに「耐える」技術。
  • 制震:特殊な装置(制震ダンパーなど)で、地震の揺れを「吸収し、軽減する」技術。

頑丈な「耐震構造」をベースに、揺れを熱エネルギーなどに変えて逃がす「制震装置」をプラスする。この組み合わせによって、繰り返しの揺れによる建物へのダメージの蓄積を、大幅に抑えることができるのです。

制震は自転車のサスペンションと同じ原理

もっと分かりやすく言うと、マウンテンバイクについている「ショックアブソーバー(サスペンション)」と同じです。あれがない自転車で砂利道を走ったら、振動がダイレクトに手に伝わってきて、自転車のネジも緩みやすくなりますよね。

でも、ショックアブソーバーがあれば、衝撃を吸収してくれるので、快適だし、自転車も壊れにくい。家の制震ダンパーも、まさにそれと同じ役割を果たしてくれるのです。「耐震+制震」これが、これからの家づくりのスタンダードになっていくと、僕は考えています。

4:家の下は大丈夫?見落としがちな「地盤」のホントの話

どんなに強い家を建てても、その下の地面(地盤)が弱ければ、元も子もありません。地盤調査と、必要に応じた地盤改良は、今や法律で義務付けられています。ここにもいくつか知っておくべきことがあります。

「地盤改良したからOK」とは限らないのが現実

「地盤改良工事をしたから、絶対安心です」と言い切れないのが、自然相手の難しいところです。

能登半島地震では、強固な杭を打っているはずの鉄骨のビルが、きれいに横倒しになる映像がありました。あれは、地盤そのものが液状化などで大きく動いてしまったからです。どんなに改良しても、想定を超える事態は起こりうるのです。

また、そもそも土地の成り立ちを知っておくことも重要です。山を削って造成した土地には、山を削ったままの固い地盤の「切土(きりど)」と、削った土を谷などに盛って作った軟弱な地盤の「盛土(もりど)」があります。自分の建てる土地がどちらなのか、ハザードマップなどで確認しておくべきです。

「さんずい」が付く地名は要注意?

さんずいが付く地名が要注意って…都市伝説のようにも聞こえますよね。でも、あながち間違いではないんです。昔の地名には、その土地の特性が反映されていることが多い。「池」「沼」「沢」「津」といった、「さんずい」のつく漢字が使われている地名は、昔は川や沼地だった可能性が高いんです。。

つまり、さんずいの付いた地名では水分を多く含んだ軟弱な地盤であるかもしれない。という一つの目安にはなります。もちろん、さんずいが付いている地名全てが地盤が悪いという訳ではありません。それでも土地選びの段階から、歴史を少しだけ意識してその土地の過去を調べてみるのも良いかもしれません。

家づくりの下調べは、あなたの命と財産を守るために

家づくりは、情報戦でもあります。デザインや価格だけでなく、こうした「見えない部分」にこそ、工務店の本当の実力と誠実さが表れます。

最後に、今日お話しした4つのポイントをもう一度確認しましょう。

  1. 計算方法は「許容応力度計算」か? 耐震等級は「3」か?
  2. 家の形や耐力壁の配置は、十分に「バランス」が考慮されているか?
  3. 繰り返しの揺れに備える「制震装置」は付いているか?
  4. 土地の成り立ちや「地盤」のリスクを理解しているか?

2025年4月からは、これまで構造計算が不要だった小規模な木造住宅にも、計算が義務付けられます。時代は、間違いなく「家の性能」を重視する方向へ動いています。

今まさに家づくりを考えているあなたは、ぜひ、工務店にこれらの質問をぶつけてみてください。面倒くさがらず、あなたの目を見て、丁寧に納得できる説明をしてくれる。そんな会社こそが、あなたの命と財産を守ってくれる、本当のパートナーになるはずです。