「オプション地獄」にハマらないために
注文住宅の魅力は、なんといっても“自分好みの住まいを一から選べる”ところ。
ですがその反面、「せっかくだし…」「あとで後悔したくないから…」と、あれもこれもオプションを追加していくと、気づけば想定以上の金額に跳ね上がってしまうことも少なくありません。
住宅設備の多くは、グレードを上げたり、便利機能を付け足したりすることが可能ですが、すべてが本当に必要かどうかは別問題です。
特に近年では、建築費や住宅ローン金利の上昇など、不安材料も増えています。そんな中で「削れるところはしっかり見極めて削る」という判断は、とても重要です。
この記事では、注文住宅を検討中の方に向けて、「実はいらなかった…!」と後悔しがちな住宅オプション8つを紹介します。
あくまで“一般消費者目線での感想”としてまとめていますので、プラン決定の際に参考にしていただければと思います。

オプション① 太陽光発電システム(通常購入)
太陽光発電システムは、環境にも家計にも良さそうなイメージが強く、「せっかく新築なら付けた方がいい」と考える方も多いかもしれません。
確かに以前に比べて初期費用は下がっており、10年前は数百万円かかっていた設備も、今では100万円前後で設置できるケースが増えました。
ですがその一方で、「売電価格」も大きく下落しており、2023年時点では1kWhあたり16円程度。つまり、以前のように“設置すればお得になる”という状況ではなくなっています。
とくに注意したいのが、現金一括で購入して設置するケースです。
この方法では初期投資が大きく、その分を売電で回収しようとすると、結局「もとが取れなかった…」というパターンに陥りがちです。
実は…「実質0円」や「リース」も選べる時代
実際には、購入せずとも太陽光発電を設置できるプランも存在します。たとえば、
- 初期費用0円で設置できる「縦得(たてとく)」プラン
- 月々一定額を支払う「リース方式」
といった方法です。
たとえば大手住宅設備メーカーが提供する「縦得プラン」では、一定の条件(例:9kW以上設置、10〜15年の契約、断熱性能の高い住宅であることなど)を満たすことで、初期費用なしで太陽光発電を導入可能になります。その間の売電収益はメーカー側が得るという仕組みです。
また、リース方式であれば、自分の希望する容量に応じて契約ができ、**月額1万6,000円前後(5kW規模の場合)**で設置できる例もあります。しかも10年後には自分の所有物になるため、購入するよりも総支払額が抑えられるケースもあります。
太陽光そのものは「アリ」。でも買い方を間違えると「ナシ」
ここでお伝えしたいのは、太陽光発電システム自体がいらない、ということではありません。
むしろ、今後のエネルギー事情や環境問題を考えれば、有効な選択肢のひとつです。
ですが、「通常購入=現金払い」で設置するのはおすすめしません。
その代わり、初期投資を抑えた導入方法(縦得・リースなど)を検討することで、負担なく採用できる場合もあります。
なお、既存住宅への後付けや築年数の経った家へのリフォーム導入は、構造上の制約や荷重バランスの問題があるため、一般家庭ではあまりおすすめできません。

オプション② 蓄電池
続いては、太陽光とセットで検討されがちな蓄電池について。
蓄電池は、太陽光で発電した電気を貯めておき、夜間や停電時に使えるという仕組みです。
一見すると非常に魅力的に思えますが、費用対効果の面で見ると、まだ現時点ではおすすめしづらい設備です。
費用が高すぎる!一般家庭で導入しづらい現実
蓄電池の導入費用は、容量や種類にもよりますが、
- 小型タイプでも100万円〜
- 大容量タイプでは200万円近くになることも
これだけの費用をかけても、「元が取れる」という考え方は難しく、防災用途や非常時対策として導入するレベルというのが現実です。
また、バッテリー自体が消耗品であるため、10年〜15年程度で交換が必要になることも想定しておく必要があります。
キャンプ用・簡易型ポータブル電源で十分なケースも
「災害時の備えに…」という理由であれば、キャンプ用のポータブル電源や、簡易型の蓄電池でも代用可能です。
こちらは数万円〜数十万円程度で導入でき、持ち運びもできるため、家庭用としてはコスパの良い代替手段となります。

オプション③ 床暖房システム
「寒い冬でも足元からポカポカ」…床暖房にはそんな魅力がありますよね。
実際、電気式や温水式などの方式があり、40万円〜150万円ほどで導入可能です。
床からの輻射熱で部屋全体をじんわり温めてくれるので、「頭寒足熱(ずかんそくねつ)」の理想的な環境が作れる、というのもポイント。
とくに、冷え性の方や赤ちゃんのいる家庭では、一度使うと手放せない…という声もあります。
でもちょっと待って!最新の高断熱住宅には“過剰装備”かも?
最近の注文住宅は、高気密・高断熱が当たり前になってきました。
そういった住宅では、エアコン1台だけでも室内を十分暖められるケースが多く、わざわざ床暖房を入れなくても快適な環境が作れるんです。
実際、床暖房を設置した方の中には「冬場の電気代が年間14万円にもなった…」という事例もあります。
とくに蓄熱式などの場合は、家じゅうに熱源が敷き詰められていて、快適ではあるもののランニングコストが非常に高くなりがち。
快適性は高い、でも“贅沢設備”であることを忘れずに
もちろん、床暖房を入れて後悔する人ばかりではありません。
寒冷地にお住まいの方や、冬の快適性を最優先したい方には十分価値のある設備です。
ただし、
- 電気代・ガス代が高騰している現在
- 高性能な断熱材や二重サッシが当たり前の家づくり
という点を踏まえると、「なくても困らない設備」として、優先度は下げても良いでしょう。

オプション④ 浴室のグレードアップ
ユニットバスには、主に以下の3つのグレードがあります。
- 普及品(ベーシック)
- 中級品(ミドルクラス)
- 高級品(ハイグレード)
このうち、普及品でも十分満足できるレベルに達しており、デザインや機能をある程度自分好みにカスタマイズできる製品も多く出回っています。
高級グレードは「癒し」よりも「掃除のストレス」?
高級タイプには、
- 肩湯やジェットバス機能
- 天井からのオーバーシャワー
- バブルバス機能 など
魅力的な機能が盛りだくさん。
ですが、こうした設備は「メンテナンスの手間」が格段に増えます。
特に天井からのシャワーや肩湯などは、
- 機構が複雑で掃除がしにくい
- カビの温床になりやすい
- 結局あまり使わなくなる
といった理由から、後悔している人も少なくありません。
シンプルが一番。掃除のしやすさも重要
毎日使うお風呂だからこそ、「見た目」や「癒し効果」よりも清掃性や使いやすさを重視したほうが、長く快適に使えます。
高級グレードの機能は、たしかに魅力的ではありますが、「最初だけテンション上がって、すぐ使わなくなった」という“ありがちな後悔”にならないよう注意が必要です。

オプション⑤ キッチンの自動レンジフード・浅型食洗機
キッチンは毎日使う場所。だからこそ、自分の使いやすい仕様にするのはとても大切です。
しかし、便利そうに見えて意外と不要なオプションもあるんです。
【不要かも①】自動洗浄タイプのレンジフード
「ファンを自動で洗ってくれるから掃除いらず!」
そんな謳い文句で人気なのが、自動洗浄機能付きのレンジフードです。
でも実際は、「完全に掃除不要」ではありません。
- ファン以外の部品は自分で掃除が必要
- 自動洗浄とはいえ、定期的なメンテナンスは不可欠
- 機械部分が複雑で故障リスクも高い
という落とし穴もあるんです。
さらに、通常のレンジフードと比べて約10万円前後高くなるため、「本当に必要か?」と冷静に考える必要があります。
最近のスタンダードタイプでも、工具なしで簡単にファンを外せる製品が多く出ています。年1回程度の掃除で済むなら、自分で手入れする方がコスパ的にも◎です。
【不要かも②】浅型のビルトイン食洗機
もうひとつ、ありがちな“やっちゃったオプション”が浅型のビルトイン食洗機です。
浅型タイプは見た目がスッキリしている一方で、**大皿が1枚入ると、もうそれ以上入らない…**なんてこともザラ。
“4〜5人用”と書かれていても、実際の使い勝手はかなり厳しいです。
最初からビルトインを検討しているなら、深型タイプや大容量タイプを選ぶようにしましょう。

オプション⑥ ビルトイン浄水器
見た目もスマートで、シンク周りがスッキリする「ビルトイン浄水器」。
でも実際に導入した人の多くが、「交換が面倒」「カートリッジ代が高すぎる」と口をそろえます。
実際のランニングコストと手間は?
- 設置費用:約10万〜20万円
- カートリッジ交換費用:年1〜2万円
- 交換頻度:年1回(※製品により異なる)
しかも、浄水カートリッジは引き出しの奥に埋め込まれており、交換のたびに収納物を全部出す必要あり。これが本当に面倒くさい…。
ネット通販で安いカートリッジも売られていますが、純正でないものは性能に問題があるケースもあるため、要注意です。
実は「オールインワン水栓」でも十分きれいな水が飲める
もっと手軽においしい水を飲みたいなら、オールインワン水栓(一体型浄水器)がおすすめ。
- 初期費用:約5万円
- カートリッジ:1本4,000円前後/3ヶ月毎に交換
と、ビルトインよりも手間もコストも抑えられます。
さらに、より高度な浄水機能を求めるなら、水道メーターの次に設置する**外付けの浄水フィルター(セントラル浄水)**という選択肢もあります。
こちらは住宅全体の水をきれいにできるので、キッチンだけでなく浴室や洗面所も含めて水質を気にしたい方には有効です。

オプション⑦ 室内建具(ドア)の追加
注文住宅の打ち合わせで意外と出てくるのが、「この部屋にも扉をつけましょうか?」という提案。
なんとなく「閉じた空間=ちゃんとした部屋」みたいな感覚もあり、ついつい増やしてしまいがちです。
でもちょっと待ってください。
高気密・高断熱の家には、扉はそんなに要らない!
昔の住宅では、部屋ごとに仕切ってエアコンや暖房を使い分けていました。
だから各部屋にしっかり扉があるのが一般的でした。
しかし、今の高性能住宅では「家全体を一つの空間」として温度管理できるため、仕切りは最小限でも快適に過ごせます。
とくに不要になりやすいのは以下のような箇所:
- 玄関ホールとリビングの間
- 廊下とLDKの境目
- 吹き抜け下の個室
扉の数=コストと手間の増加!
1枚の建具にかかる費用は、材質やデザインにもよりますが3万円〜10万円。
数が増えるほど当然コストも増え、設置・調整・メンテナンスの手間もかかります。
また、「引き戸にしたけど壁面が塞がれて家具が置けない…」というような配置の自由度低下も起きがち。
結論:「閉じたい場所」だけでOK!
以下のようなプライバシーや衛生を守る必要のある場所には、もちろんドアが必要です。
- トイレ
- 洗面・脱衣室
- 寝室
- 子ども部屋
逆に、温度調整・目隠し目的だけの扉は要検討!
設計段階で「本当にその扉、必要?」を冷静に考えるだけで、数万円〜十数万円の節約につながります。

オプション⑧ コンセント・照明配線の過剰設置
「コンセントは多いほうが安心!」「照明はいろいろオシャレにしたい!」
…その気持ち、よ〜く分かります。
ですが、“とりあえず”で増やすと、結局使わないままムダになるケースが意外と多いんです。
【あるある】「そこじゃなかった」問題
実際の暮らしでは、こんなズレがよく起きます。
- 収納棚の裏にコンセントが隠れてしまった
- ベッドの配置を変えたら使えなくなった
- テレビやPC周りに足りなかった
- 廊下の照明が多すぎて全部使わない
設計段階では完璧に思えても、暮らしてみないと分からないことが多いのが住宅の難しいところ。
コンセント1つで5,000円前後。照明は配線+器具でコスト増
電気関係のオプションは、単価が安く見えるため「まあ付けとこか」と思いがちですが…
- コンセント:1箇所あたり4,000〜6,000円
- ダウンライト:1個で1万円超え
- スイッチ追加:数千円〜
と、チリツモで数万円単位のオーバーになりやすいんです。
しかも、最初に配線だけしておけば、後から器具だけ買ってつけることも可能です(将来の使い方を見てから決められる)。
「暮らしをシミュレーションする」ことが最大の節約
おすすめは、設計図を見ながら生活動線を頭の中でシミュレーションすることです。
- 朝起きてから寝るまで、どこで何を使うか
- 充電する場所、掃除機を使う場所、アイロンやPC作業など
- 家族がどう分担して過ごすか
また、**ベッドの左右にスマホ用コンセントがあるか?**などもよくある見落としポイントです。
特にお子さんがいる家庭では、将来のレイアウト変更や成長によるニーズ変化も見越しておくと安心です。

【まとめ】本当に必要な設備は「生活スタイルで決まる」
ここまで紹介した「実はいらないかも?」な8つのオプションを振り返ってみましょう👇
| 番号 | オプション名 | 備考 |
| ① | 太陽光発電(通常購入) | 実質0円/リースならアリ |
| ② | 蓄電池 | 高額&費用対効果が合わない |
| ③ | 床暖房 | 高性能住宅には不要なケースも |
| ④ | 浴室のグレードアップ | 掃除が大変/結局使わなくなる例も |
| ⑤ | 自動洗浄レンジフード・浅型食洗機 | メンテナンス性に注意 |
| ⑥ | ビルトイン浄水器 | 交換が大変&高コスト |
| ⑦ | 室内建具の追加 | 扉は最小限でも快適 |
| ⑧ | コンセント・照明配線の過剰設置 | シミュレーションでムダ防止 |
「何を付けるか」ではなく、「どう暮らしたいか」を軸に考えよう
オプション選びの最大のポイントは、“みんなが付けているから”ではなく、“自分たちの生活に本当に必要か?”で判断することです。
選び方を少し変えるだけで、数十万円〜100万円以上のコストダウンも夢じゃありません。
そして節約できた分で…
- 外構をグレードアップするもよし
- 家具・家電に予算をまわすもよし
- 教育資金や旅行などに充てるもよし
住宅は“完成してからが本番”です。
オプションは見栄ではなく、暮らしやすさとコスパのバランスを大切に選んでいきましょう!