カビが生えにくい住宅にするための8つの方法

カビは、住宅の美観や快適性を損なうだけでなく、アレルギーや喘息など健康への影響も懸念される存在です。特に日本の高温多湿な気候では、住まいの中でカビを完全に防ぐのは簡単なことではありません。しかし、住宅の設計や住まい方を工夫することで、「カビの生えにくい家」に近づけることは十分可能です。

今回は、カビが生えにくい住宅にするために有効な8つの具体的な方法を、季節ごとの注意点やリフォームの工夫も含めて詳しく解説します。

1. 梅雨時期から夏にかけて相対湿度60%以下を保つ

カビが最も繁殖しやすい環境は「相対湿度70%以上」とされています。そのため、まず基本となるのは「室内の湿度を60%以下に保つ」ことです。

特に梅雨時期や夏場は湿度が非常に高くなるため、エアコンの「除湿(ドライ)」運転を活用しましょう。再熱除湿機能のある機種であれば、温度を下げすぎずに湿度のみを調整できるため効果的です。

外気の湿度が高い時期は、むやみに窓を開けず、エアコンや除湿機で湿度管理を徹底することが重要です。

2.冬場、 家全体を暖かくして「低温部」をつくらない

意外に思われるかもしれませんが、冬もカビ対策が必要な季節です。外気が乾燥している一方で、室内の一部が極端に冷えることで結露が発生し、カビの原因になります。

たとえば、寝室だけ暖房をつけると、廊下や壁面との温度差で冷たい部分に結露が生じます。これを防ぐためには、「家全体を均一に暖かくする」ことが効果的です。

高断熱・高気密の住宅であれば、24時間全館暖房も無理なく実現でき、健康的な暮らしにもつながります。

3. 樹脂窓を使用し、窓の結露を防ぐ

住宅の中で最も結露が発生しやすい場所は「窓」です。特に北側の窓や寝室の窓の下枠に、冬場多くの結露が見られます。

結露対策には「樹脂製の窓フレーム」の使用が非常に有効です。アルミ製の窓枠に比べて熱を通しにくく、窓表面の温度低下を防げるため、結露を大幅に減らすことができます。

既存住宅で樹脂窓に交換が難しい場合は、「内窓(二重窓)」の設置や、「ウインドーラジエーター」と呼ばれる窓下に設置するヒーターを活用すると効果があります。

また、あわせて注意したいのが、布地のカーテンによるカビの発生です。窓辺の冷気を遮ったり外からの視線を防ぐ目的で使用されているご家庭も多いかと思いますが、結露の起きる窓に布製のカーテンが触れたままになっていると、その部分に湿気が溜まり、カビの原因となります。特にカーテンの裾が窓枠に当たる位置で長時間湿った状態が続くと、布地の内部にまでカビが広がることがあります。

対策としては、結露しやすい窓ではカーテンを定期的に洗濯することが大切です。もしくは、カビの発生を抑えやすいプラスチック製のブラインドやロールスクリーンなど、布地を使用しないタイプの窓装飾に切り替えるのも有効な方法です。

4. カビが生えてしまったら、浴室の天井を月1回清掃する

浴室は常に高湿度となる空間であり、カビの温床になりやすい場所です。特に見落とされがちなのが「天井部分」です。

カビは空気中に胞子を放出し、天井に逃げる性質があります。一度カビが生えてしまった場合は、月に一度、カビ取り剤やアルコールなどで天井を優しく拭き取るようにしましょう。

スポンジやたわしで強くこすると表面が傷つき、かえってカビが根付きやすくなってしまうため、注意が必要です。

5. 網戸の掃除と取り外し活用

春や秋など、気候の良い時期には窓を開けて換気を行うこともあるでしょう。その際に見落とされやすいのが「網戸の清掃」です。

外気中にはカビの胞子が多数漂っています。汚れた網戸にはホコリが付きやすく、カビの胞子も定着しやすくなります。その状態で窓を開けて換気をすると、室内にカビ菌を持ち込む原因になります。

可能であれば、使わない時期には南側の大窓の網戸だけでも取り外して保管しておくことで、日射取得量も増え、窓辺の温度も上昇し結露対策にもなります。

6. エアコン内部のカビ対策

冷房で使用するエアコンの内部は、結露によってカビが生えやすい環境です。特にオン・オフを繰り返すと内部が乾燥せず、カビが繁殖しやすくなります。

そのため、冷房時は24時間連続運転を行うのがおすすめです。また、定期的な清掃や、加熱除菌機能のある機種を選ぶことも有効です。

富士通ゼネラルなどの一部機種には、55℃まで加熱してカビ菌を抑制する機能があり、週1回程度の加熱除菌を行うことで清潔性を保ちやすくなります。加熱除菌中は部屋が暑くなるので、外出時に行うといいでしょう。

また、清掃機能や加熱除菌機能が搭載されていないエアコンを使用している場合は、定期的にプロの業者に清掃を依頼するのも一つの方法です。機種によって異なりますが、1台あたりおおよそ15,000円〜25,000円程度が相場となっており、2年に1回ほどの頻度で行うことで、内部にカビが繁殖するのを効果的に抑えることができます。

7. 無垢フローリングと床下暖房の活用

床面は家の中でも特に冷えやすい部分であり、冷たい床は結露の発生源になります。そこでおすすめなのが、「無垢フローリング」と「床下エアコン暖房」の組み合わせです。

無垢材は熱を緩やかに伝え、かつ吸湿・放湿性にも優れているため、結露やカビのリスクを軽減します。さらに、床下から暖めることで床面の表面温度が安定し、湿気の溜まりにくい空間を作ることができます。

これに加え、住宅の「気密性」も高めることで、外気の侵入を防ぎ、冷気が床を這うような状態も防げます。

8. 洗濯機の使い方に注意する

カビ対策は住宅の構造だけでなく、日々の暮らし方にも密接に関係しています。特に見落とされがちなのが「洗濯機の使い方」です。

部活や運動で汗をかいた服を、洗う前から洗濯機に入れて放置してしまうと、湿気がこもり、洗濯槽の裏側にカビが発生する原因になります。

特にドラム式洗濯機は密閉性が高く、湿気が逃げにくいため注意が必要です。洗濯物は洗濯直前まで「洗濯かご」に入れ、洗うタイミングで機械に入れるよう習慣づけることが大切です。

まとめ

カビは見た目の問題だけでなく、健康リスクや建材の劣化にも関わる深刻なトラブルです。しかし、湿度管理や結露対策、住まい方の工夫によって、カビの発生リスクを大幅に下げることが可能です。

今回ご紹介した8つの方法を実践することで、長く快適に暮らせる「カビに強い家づくり」につながります。新築やリフォームを検討中の方はもちろん、今お住まいの住宅でもできる工夫は多くありますので、ぜひ取り入れてみてください。