建設現場での作業において、適切な工具の選定は作業効率や仕上がりを大きく左右します。しかし、実際にどの工具を選べばいいのか、初心者の方にはなかなか分かりづらいものです。そこで今回は、実際の現場で使用されている定番の工具の中から、特に使用頻度が高く、初心者からベテランまで広く愛用されている5つの工具をご紹介します。
すべて私自身が現場で使用したことのある信頼できる道具ばかりですので、これから建設業に関わる方や道具に興味のある方の参考になれば幸いです。

1. ラチェットレンチ(通称:ラチェット)
最初にご紹介するのは「ラチェットレンチ」、通称ラチェットです。これはボルトやナットを締めたり緩めたりするための工具で、設備業、鉄骨鳶、金物屋など多くの職種で必須となるアイテムです。
ラチェットの特徴は、一方向に回転させると締め付けができ、逆方向では空回りすることで手を持ち替える必要なく連続した作業ができるという点です。一般的なモデルでは、17mmと21mmのソケットが付いており、これはインチ規格に基づいたサイズで、現場で使われるボルトやナットのサイズに合わせて選ばれます。
代表的なメーカーとしては「TOP(トップ工業)」があり、多くの職人が信頼して使用しているブランドです。価格は1本あたり約3,000円前後で、頑丈な作りから長く愛用できます。工具屋やホームセンターでも簡単に手に入るアイテムです。

2. カッターナイフ(太柄タイプ)
次にご紹介するのは、いわゆる「カッター」ですが、現場では柄が太く、しっかりとした作りのカッターナイフが好まれます。コンビニなどで販売されている細いタイプでは、現場の作業には耐えられないため、プロの現場ではほとんど使用されていません。
主に使われているメーカーは「Tajima(タジマ)」と「OLFA(オルファ)」の2社で、現場ではそれぞれの愛用者がいるほどの人気を誇ります。私は個人的に「OLFA」派で、使いやすさと刃の切れ味の良さが特徴です。
価格は1本約600円ほど。刃を交換すれば長期間使用できます。替刃は50枚で1,500円程度なので、コストパフォーマンスも抜群です。なお、紛失や盗難には十分注意が必要で、腰袋などにしっかり収納して管理するのが基本です。

3. スケール(メジャー)
三つ目は「スケール」、いわゆるメジャーです。長さを測るというシンプルな用途ながら、正確な寸法確認が求められる建設現場では欠かすことのできない工具です。
市販の安価なメジャー(100均など)とプロ仕様のスケールの違いは歴然です。まず、テープの幅が広く、材質がしっかりしていて曲がりにくい点。そして、ストッパーがしっかり機能して、測った長さを固定できる構造になっています。
建設現場では主に5.5mまたは7.5mの長さが使われることが多く、図面と実寸の照合や部材の寸法確認など、あらゆる場面で活躍します。
こちらも「Tajima」製が圧倒的な人気を誇っており、価格は1本あたりおよそ3,000円前後。高品質で耐久性に優れており、日々の作業の信頼性を高めてくれるアイテムです。

4. ハッカー(鉄筋結束用工具)
少しマニアックな道具ではありますが、「ハッカー」も現場で重宝される工具のひとつです。主に鉄筋工事で使用され、鉄筋同士を結束線でしっかりと固定するためのアイテムです。
熟練の職人になると、ハッカーを使わずに素手で結束を済ませてしまう方もいますが、やはりこの道具があると効率が格段に上がります。鉄筋工や現場監督の補助業務など、鉄筋に関わる職種では知っておいて損はありません。
価格も非常に手頃で、1本あたり800円程度とコスト面でも導入しやすい道具です。使用頻度がそれほど高くない方でも、一本持っておけば便利な場面があるはずです。

5. 石頭ハンマー(標準サイズ)
最後にご紹介するのは「石頭ハンマー」です。通称「カケヤ」とも呼ばれますが、こちらも建設現場では出番の多い工具です。コンクリートの割り作業や、溝の調整、壁を軽く叩いて整えるなど、幅広い用途があります。
職種によって使い方はさまざまで、外構工事やブロック工事、大工仕事まで活躍の場が多い工具です。柄の長さやヘッドの重さはさまざまですが、標準サイズのものであれば多くの作業に対応できます。
代表的なメーカーは「DOGYU(土牛産業)」で、プロ仕様のハンマーを数多くラインナップしています。価格も比較的手頃で、用途に応じた多種多様なモデルが販売されています。
特に電動工具を使うまでもない場面では、ハンマーの出番は多く、持っていると重宝すること間違いなしです。

まとめ:自分に合った道具選びが仕事の質を上げる
今回は、建設現場でよく使われている工具の中から、特に使用頻度が高く、信頼性の高い5つのアイテムをご紹介しました。
- ラチェットレンチ
- カッターナイフ(太柄タイプ)
- スケール(メジャー)
- ハッカー
- 石頭ハンマー
どれも現場での作業に欠かせないものであり、プロの職人が実際に使用している定番の道具ばかりです。しかし、最終的に重要なのは「自分の手に合うかどうか」です。いろいろな工具を試して、自分にとって最も使いやすいものを見つけることで、作業効率が上がり、仕事の質も自然と高まっていきます。
これらの工具はホームセンターでも購入できますし、最近ではAmazonなどのオンラインショップでも簡単に手に入ります。興味のある方は、ぜひチェックしてみてください。道具へのこだわりが、職人としての信頼にもつながります。