【プロも賛否両論】「太陽光発電をオススメしない理由」を解説!

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近年、住宅における太陽光発電の導入は一般的になってきました。環境にやさしく、電気代の節約にもつながるというイメージから、多くの方が「つけるべきかどうか」で一度は悩まれるのではないでしょうか。

しかし実際のところ、太陽光パネルを導入することが本当に得なのか、また必要なものなのかは一概には言えません。実際、私自身の自宅には太陽光パネルが設置されていますが、それでも基本的にお客様には太陽光の設置を強くおすすめすることはありません。

今回はその理由を含め、「太陽光パネルを検討する際に注意すべきポイント」「どのような人なら設置しても良いのか」について、詳しく解説していきます。今後の判断材料として、ぜひ参考にしてください。


太陽光発電の優先順位が低い理由とは?

太陽光発電の優先順位が低い理由とは?

結論からお伝えすると、太陽光パネルは「絶対にダメ」というわけではありません。しかし、住宅を建てる際に優先すべき項目としては、どうしても後回しにせざるを得ない存在だと考えています。

その理由は、大きく以下の3点に集約されます。

  1. 投資対効果が見合わない
  2. 建物設計や土地選びに制限がかかる
  3. 維持管理・撤去などのメンテナンスコストが発生する

順を追って見ていきましょう。


理由①:投資対効果が下がっている

太陽光発電を導入する一つの大きな動機が「経済的なメリット」だと思います。かつては、国による売電制度が非常に手厚く、設置した電力を高単価で買い取ってもらえる環境が整っていました。しかし現在では、その状況は大きく変わっています。

例えば、かつて1kWhあたり40円ほどで売電できていた時代に比べ、今ではその半分程度の20円前後にまで下がっているのが現状です。仮に同じ発電量を維持できても、収益は半分になります。

確かに、太陽光パネルの性能は向上し、設置費用も以前より下がっています。しかし、それでも売電価格の低下による収益性の悪化を補うには限界があります。加えて、国や自治体からの補助金制度も縮小され、設置に伴う初期費用の負担も軽減されにくくなりました。

そのため、単に「設置すればお得」という考え方は、今では通用しなくなってきているのです。


理由②:建物設計や土地に制限が出る

太陽光パネルの性能を最大限に活かすためには、設置場所や角度、日当たりの条件が非常に重要です。理想的な条件としては、南向きで30度前後の角度で設置し、周囲に日陰を作るような建物や電柱などの障害物がないことが求められます。

しかし、実際にはそのような完璧な条件の土地を見つけるのは難しく、しかも周囲の環境は将来的に変化する可能性もあります。例えば、隣地に新たな建物が建ったり電柱が設置されたりするだけで、発電効率は大きく落ちてしまうのです。

また、太陽光パネルは影の影響を強く受ける特性があり、1枚でも影がかかると、その回路全体の発電性能が低下します。こうしたリスクを避けるためには、土地選びや屋根形状の自由度が制限され、結果的に建物のデザインにも影響が出てきます。

さらには、屋根に重量物であるパネルを設置することにより、耐震性への影響も無視できません。パネル1枚1枚は軽くても、合計すると300kg前後にもなり、地震時には建物への負担が増すことになります。


理由③:意外と見落とされがちな維持・管理のコスト

理由③:意外と見落とされがちな維持・管理のコスト

太陽光パネルの導入時には、「一度設置すれば長く使える」と考える方も多いかもしれませんが、実際には定期的なメンテナンスや機器の交換、撤去の手間などが発生します。

代表的なものが「パワーコンディショナー(パワコン)」の交換です。これは太陽光パネルとセットで設置される機器で、10~15年での交換が必要になります。交換費用は20万円前後かかることが一般的です。

さらに、火災保険の対象にもなるため、その保険料が追加で必要になりますし、将来的に屋根の塗装や葺き替えを行う際には、パネルの一時的な取り外しや再設置が必要になるため、その分の工事費も加算されます。

加えて、まれではありますがショートによる火災事故が発生するリスクもゼロではありません。安全面の配慮も含め、総合的な維持コストをしっかり見積もる必要があります。


太陽光をつけても良い人の3つの条件

太陽光をつけても良い人の3つの条件

ここまでの話で「太陽光はやめた方がいいのかも」と思った方もいるかもしれませんが、全否定するつもりはありません。以下の3つの条件を満たす方であれば、太陽光パネルの設置は十分に検討の余地があります。

1. 高性能な住宅に住んでいる

断熱・気密・保温・耐震性能が高い住宅であれば、エネルギーの消費が少なく済むため、発電した電力の自己消費が効率的に行えます。

2. 日当たりの良い環境

周囲に高い建物や電線などの障害がなく、日照条件に恵まれた土地であることが前提です。

3. 設置費用が安い

初期投資をできる限り抑えられること。シミュレーションを行い、収益性が見込めるかを事前に検討しておくことが重要です。

私自身もこの3つの条件を満たしていたため、あとから太陽光パネルを設置する決断をしました。


太陽光を導入するなら、ここに注意

太陽光を導入するなら、ここに注意

導入を検討される場合には、新築時に工務店と一緒に設計段階から計画するのが理想です。後付けにすると足場代や配線の問題などで割高になることが多いためです。

また、訪問販売などで提案される太陽光は要注意です。売り切り型の業者が多く、アフターサービスや保証対応が不十分なケースもあります。信頼できる住宅会社や施工店に相談し、メーカーの保証内容もしっかり比較することをおすすめします。

なお、売電目的で大容量を設置するよりは、家庭内で消費する量(4~6kW程度)に合わせた適量を設置する方がコストパフォーマンスは良くなります。自己消費分の電力は1kWhあたり30~40円の価値があるため、売電よりはるかに効率的です。


まとめ:根拠ある判断を

まとめ:根拠ある判断を

太陽光パネルを設置すべきかどうかは、一概には言えません。設置のタイミングや住環境、住宅の性能、費用対効果など、さまざまな条件を加味して判断すべき問題です。

ただし、一番避けたいのは「なんとなく良さそうだから」「人にすすめられたから」という理由で設置し、後から後悔することです。大切なのは、信頼できる情報を元に、納得したうえで判断すること。そうすれば、たとえ想定外のことが起きたとしても、後悔は少なく済むはずです。

今回の内容が、太陽光パネルの導入を検討している方の参考になれば幸いです。