トリプルガラスの導入を検討している方へ高断熱だけじゃない!知っておくべきメリットとデメリット
マイホームを建てる際、誰しもが「できるだけ快適な住まいを実現したい」と願うものです。特に最近は電気代の高騰もあり、少しでもランニングコストを抑えられるような住宅設備が注目されています。中でも「窓」は家の断熱性を大きく左右する重要な要素であり、その性能によって室内環境や住み心地が大きく変わってきます。
そんな中、高断熱な窓として注目されているのが「トリプルガラス」です。名前の通り、ガラスが3層構造になっているこのタイプは、従来の単板ガラスやペアガラスに比べて格段に断熱性能が高いことで知られています。しかし、実は「断熱性が高い」というメリットだけで飛びついてしまうと、あとで「思っていたのと違った」「もっと慎重に考えればよかった」と後悔することにもなりかねません。
そこで本記事では、トリプルガラスの代表的なメリット3つとデメリット3つについて詳しく解説いたします。これからマイホームを建てようとされている方、窓の仕様を検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。
トリプルガラスのメリット

1. 光熱費の削減に効果的
まず最も分かりやすいメリットは、光熱費の削減につながるという点です。トリプルガラスは、一般的な単板ガラスの約6倍、ペアガラスと比較しても約3倍の断熱性能があると言われています。たとえば、延床36坪の2階建て住宅で、同じ条件でシミュレーションを行った場合、ペアガラスを採用した場合の年間光熱費が約67,000円だったのに対し、トリプルガラスでは約47,000円と、年間で2万円もの節約が可能になる結果が出ています。
もちろん、初期費用としてはトリプルガラスのほうが高額になりますが、30年〜40年という長期的なスパンで住まうことを前提とすれば、トータルのランニングコストではむしろ経済的になる場合もあります。
2. 室内環境が安定し快適に
次に注目したいメリットは、住み心地の良さが大きく向上するという点です。外気温の影響を受けにくいため、室内の温度が安定しやすく、夏も冬も快適な空間を保ちやすくなります。
例えば、YKKのトリプルガラス製品のカタログデータによると、外気温が35℃の夏の日でも、トリプルガラスの内側表面温度は28℃程度に抑えられます(ペアガラスでは34℃)。また、冬に外気温が0℃、室内温度が24℃に設定されている場合、ペアガラスではガラス表面温度が16℃程度まで下がるのに対し、トリプルガラスでは23℃を維持できるという結果も出ています。
つまり、冬場に窓際で「寒い」と感じにくくなりますし、冷暖房の効率も良くなるため、家全体の快適性が向上します。
3. 結露が起こりにくい
3つ目のメリットとしては、窓ガラスの結露が発生しにくくなることが挙げられます。結露は、室内の温かい空気が冷たいガラス表面に触れて急激に冷やされ、水滴となって現れる現象です。しかしトリプルガラスは、ガラス表面の温度が室温と近くなるため、結露の発生を大幅に抑えることができます。
結露が減ることで、窓のお手入れが楽になるのはもちろん、カビやダニの発生リスクも減少。結果として、より衛生的で快適な住環境を実現することが可能になります。
トリプルガラスのデメリット

1. 重量があり、開け閉めが大変
一方で注意すべき点の1つ目は、ガラスが重くなり、窓の開け閉めが大変になるという点です。ガラスが3枚になることで窓全体の重量が増し、特に床から天井まである大きな「掃き出し窓」などではその重さが顕著に表れます。
引き違い窓(左右にスライドして開け閉めするタイプ)の場合、開閉にかなりの力を要することもあり、お子様や高齢の方にとっては不便に感じる場面もあるでしょう。そのため、採用する際には、開閉方法にも配慮し、縦滑り窓などの軽いタイプを検討することが大切です。
2. 初期費用と修理費用が高め
次に、トリプルガラスは導入コストが高いというデメリットがあります。一般的に、ペアガラスに比べて2倍近い価格差があると言われており、家中すべてをトリプルガラスにする場合は、予算への影響も大きくなります。
また、万が一ガラスが割れてしまった場合、交換費用も高額になります。こうしたリスクに備えては、火災保険に「不測かつ突発的な事故補償特約」などを付加するのが有効です。これにより、ボール遊びによる破損など、日常的なトラブルにも対応できます。
加えて、防犯性を高めるために「防犯ガラス」を組み合わせたいと考える方も多いですが、その場合はさらにコストアップする点も念頭に置いておく必要があります。
3. 長期的には断熱性能が低下する可能性も
最後にご紹介するのは、トリプルガラスの性能は永久ではないということです。ガラスそのものよりも、ガラスとサッシの間に使われているパッキンの劣化が問題となることが多く、これにより中間層に封入されたガスが少しずつ抜けていきます。
一般的には、年に1%程度のペースでガスが抜けていくとされており、30年後には30%程度性能が低下してしまうことになります。ただし、これはトリプルガラスに限らずペアガラスなど他の窓でも同様の問題が起こり得るため、正しいメンテナンスや設置方法によって寿命を延ばすことは可能です。
まとめ:トリプルガラスは「適材適所」がカギ

トリプルガラスは確かに優れた断熱性と快適性をもたらしてくれる魅力的な選択肢ですが、その反面、価格や重量、経年劣化といった課題も抱えています。
重要なのは、メリットだけで判断するのではなく、デメリットも十分理解した上で自分たちの暮らしに合った選択をすることです。たとえば、リビングなどの快適性を特に重視したい場所にはトリプルガラスを採用し、その他の窓はペアガラスにするなど、使い分けも十分に検討する価値があります。
後悔しない家づくりのために、ぜひ今回ご紹介した情報を参考にしていただき、家族にとって最も心地よい住まいを実現してください。