「そろそろ家の塗り替え時期だけど、どこに頼んで進めたらいいのか、全く分からない…」
外壁塗装は、何度も経験するものではありません。だからこそ、いざ考え始めると、何から手をつけて良いのか途方に暮れてしまいますよね。「変な業者に捕まって、高額な請求をされたらどうしよう」「手抜き工事をされて、すぐにダメになったりしないだろうか」といった不安も尽きないはずです。
ご安心ください。塗装工事を依頼し、完了するまでの一連の流れと、押さえるべき重要なポイントを事前に知っておくだけで、そうした不安のほとんどは解消できます。
この記事では、塗装会社への最初の相談から工事完了までの全ステップを、誰にでも分かりやすくを追って解説していきます。この記事を読めば、あなたが納得のいく価格で、高品質かつ確かな道筋が見えてくるはずです。
ステップ1:塗装会社への相談|最初の電話で何を聞くべきか?

まずは、あなたの街の塗装会社に、一本の電話やメールをするところから。でもその前に、少しだけ準備をしておきましょう。
業者探しの方法は?ネットとチラシ、どちらが良い?
塗装業者を探す方法は、インターネットでの検索や、ポストに投函されるチラシなど、様々です。どちらが良い、悪いということはありません。大切なのは、その先。見つけた業者の中から、本当に信頼できる相手を見極めることです。
最初の電話で確認すべき「2つの質問」
良さそうな業者を見つけたら、まずは電話で相談してみましょう。その際、ただ「塗り替えを検討している」と伝えるだけでなく、必ず確認してほしいポイントが2つあります。
- 「資格を持った診断士はいますか?」
- 「建物の状況をまとめた、詳しい報告書は作成してもらえますか?」
なぜこの2つの質問が重要なのでしょうか。それは、丁寧で正確な「建物の診断」こそが、高品質な塗装工事の出発点だからです。この最初の問い合わせの段階で、診断の重要性を理解し、資格者の存在や報告書の作成を快く約束してくれる。そんな業者こそが、信頼できるパートナー候補の第一条件です。
ステップ2:現場調査|プロは何をチェックしているのか?

電話やメールでの相談後、塗装会社の担当者が実際にあなたの家を訪れ、屋根や外壁の現状をチェックする「現場調査」が行われます。このステップは、塗装工事全体の中でも、特に重要な意味を持っています。
なぜ現場調査は重要なのか?
現場調査の目的は、単に家の大きさや壁の面積を測るだけではありません。その本質は、建物のメンテナンス方法と、かかる費用を正確に把握することにあります。
これは、病院の診察と全く同じです。医師が患者の症状を正確に把握しなければ、適切な治療ができないのと同じように、住まいの劣化状況をプロの目で正確に診断しなければ、本当に必要な工事内容や費用を算出することはできません。
- 壁のひび割れ(クラック)は、どのくらい深刻か?
- コケやカビの発生状況はどうか?
- 古い塗膜の剥がれ(チョーキング)は、どの程度進行しているか?
劣化状況によって必要な下地処理、使用すべき塗料の種類、当然ながら工事費用も大きく変わってきます。この現場調査の精度こそが、後の見積もりの妥当性や、工事全体の品質を左右する最も重要な土台となるのです。
ステップ3:診断報告書と見積書の提出|ここで業者の実力を見抜け!

現場調査が終わると、その結果をまとめた「診断報告書」と、具体的な工事プランと費用を記載した「見積書」が提出されます。この2つの書類にこそ、その業者の実力と誠実さが、明確に表れます。
「診断報告書」は、家のカルテ
信頼できる業者が作成する診断報告書は、まるで病院の診断書のように詳細です。現場調査で撮影した写真と共に、劣化箇所が確認でき、私たちにも分かりやすく解説されています。
この報告書を見れば、「いつ頃までに、どんなメンテナンスが必要で、それには大体どのくらいの費用がかかるのか」という、あなたの家の将来的なメンテナンス計画まで見通すことができます。
「見積書」は、細かければ細かいほど信頼できる
次に、見積書です。ここで、悪質な業者と誠実な業者を簡単に見分けるポイントがあります。それは、見積もりの「細かさ」です。
【注意が必要な、大雑把な見積もりの例】
- 外壁塗装工事:50万円
- 屋根塗装工事:30万円
- 足場代コミコミ:合計 100万円
上記のような見積書では「どの範囲なのか?どんな塗料なのか?何回塗りなのか?どのような工法で作業するのか?」が、全く分かりません。これでは、工事が終わった後に「あれ??ここ塗ってくれないの?」といったトラブルに発展する可能性が非常に高くなります。
付帯工事の項目まで、しっかり記載されているか?
塗装工事は、外壁と屋根を塗るだけではありません。
- 雨樋(あまどい)
- 破風板(はふいた)・鼻隠し(はなかくし)
- 軒天(のきてん)
- 庇(ひさし)
- サイディングの目地のシーリング(コーキング)
こうした「付帯部分」の塗装や補修も、家の美観と耐久性を保つ上で非常に重要です。
誠実な業者であれば、こうした付帯工事の一つひとつまで項目を分け、使用する塗料や数量を明記した、20〜30項目にも及ぶ詳細な見積書を提出してくれます。一見すると複雑に見えるかもしれませんが、この細かさこそが、後々のトラブルを防ぎ、あなたが安心して工事を任せられる、何よりの証拠なのです。
ステップ4:業者決定から工事完了までの流れ

複数の会社から見積もりを取り、費用や工事内容をじっくり比較検討したら、いよいよ工事を依頼する会社を1社に絞り、契約を結びます。
色決めは、一番楽しい時間
契約が完了したら、次は工事の具体的な時期や、外壁・屋根の「色」についての打ち合わせです。
多くの塗装会社では、パソコンを使ったカラーシミュレーションや、実際の塗料を塗った色見本板などを用意してくれます。カタログの小さな色見本だけで決めてしまうと、実際に大きな面積に塗った時に「思っていた色と違う…」という失敗(面積効果)が起こりがちです。
面積効果とは
同じ色でも、見る面積の大きさによって色の見え方が変わる現象
工事期間は、およそ2週間が目安
色が決まれば、いよいよ工事のスタートです。一般的な戸建て住宅の場合、工事の全工程は、以下のような流れで進みます。
- 足場の設置、メッシュシートの養生
- 高圧洗浄
- 下地処理、シーリング工事
- 塗装(下塗り・中塗り・上塗りの3回塗りが基本)
- 完了検査
- 足場の解体、清掃
天候にも左右されますが、これらの工程全体で、およそ2週間程度の期間を見ておくと良いでしょう。
まとめ:後悔しない塗装工事は「最初のステップ」で決まる

10年に一度とも言われる、大切なお住まいのメンテナンス、外壁塗装。その成功の鍵は、工事が始まる前の「準備段階」にこそある、ということがお分かりいただけたでしょうか。
今回のポイントを、もう一度おさらいしましょう。
- 相談:資格者の有無と、詳細な報告書の作成を確認する。
- 現場調査:家の状態を正確に診断してもらう。
- 見積もり:「付帯部分」まで含めた、詳細な見積書を提出してもらう。
- 比較検討:必ず複数の会社から見積もりを取り、内容をじっくり比較する。
いきなり1社に絞って話を進めるのではなく、まずは複数の信頼できそうな業者に現場調査と見積もりを依頼し、その対応や提出される書類の質を比較しましょう。
実際の工事内容や費用は、あなたの家に当てはめてみなければ分からないことばかり。この記事で紹介した流れを参考に、まずは勇気を出して、プロへの相談という「第一歩」を踏み出してみてください。その一歩が、あなたの家を、そしてあなたの暮らしを、豊かなものにする道筋となるはずです。